編集後記 紹介
Minimally Invasive Surgery(MIS)は整形外科領域の手術法の1つとして,一般的となりつつあります.そして多くの学術集会では,MISを賞賛する発表を数多くみますが,それらの発表では,MISの問題点を指摘する内容のものは,皆無に近く,その有用性のみが強調されています.そのためか従来法での手術の経験の少ない若い先生方が,MISに夢中になっているとの印象を強く持っています.人工膝関節置換術(TKA)においても例外ではありません.しかしMISの定義については,統一した見解はありません.ただ皮切が小さければMISといえるのでしょうか.さらに,MIS-THAやMIS-TKAの術後機能回復は,従来の皮切で手術を行った症例と変わらないとの意見もあって,その功罪については不明というのが,現在の客観的な評価であると思います.このような現状をふまえて,「MIS-TKAの功罪」とのタイトルで特集を企画しました.執筆をお願いいたしました先生方は,本法におけるTKAの進歩の最先端にあって,牽引車的な役割を果たされている先生方ばかりであります.ご執筆を快くお引き受けくださいました先生方には深く感謝致しております.なかでも松野誠夫先生にMIS-TKAの問題点を,先生自身がTKAを施行された多数の症例の経験に基づいて,ご指摘いただきましたことは,この特集の価値を一層高めるものになったと思っております.
この特集で掲載された論文をお読みいただくことは,MIS-TKAの功罪をあらためて考えるよい機会になると思っておりますので,一人でも多くの先生方に目を通していただければ幸です.
目次
●特集
MIS-TKAは有用か? 松野 誠夫
MIS-TKAとlearning curve 松本 秀男
MIS-TKAとconventional TKAの比較 金谷 篤,他
Mini-midvastusアプローチを用いたMIS-TKA 堀内 忠一,他
MIS-TKAにおける術後早期可動域訓練とその改善効果について 井手 衆哉,他
低侵襲人工膝関節置換術における術後早期機能回復 松枝 宗則
術後の身体状況 福島 重宣,他
MIS-TKAの手術適応 王寺 享弘
●Editorial
健康寿命と転倒予防教室について 武内 章二
●第7回Latest Orthopedics研究会の記録
肩スポーツ障害に対する機能診断と鏡視下手術─投球障害肩を中心に─ 菅谷 啓之